こんにちはコンテナイズムです。
コンテナと言うと、まず港なんかに積み上げらえている海上輸送用コンテナのことを思い浮かべる方は多いと思います。そして思われるのは、あのコンテナをそのまま建築物としてコンテナハウスにできないのだろうかということです。あのような輸送用コンテナを再利用できればコストも抑えられるのではという疑問を持たれる方がいらっしゃいます。確かにそれが可能ならばコスト削減につながるかもしれませんが、実際にはそうはいきません。当社でもそのような形で、中古のコンテナを使ってコンテナハウスを造ることはありません。それは、施主様にとってのメリットがないからです。それでは、そのあたりの、何故、中古の海上輸送用のコンテナをコンテナハウスとして再利用できないのかという点について見ていきます。

中古のコンテナは建築物として使えるの?

 まず、そもそも中古の海上輸送用のコンテナをそのまま建築物として使えるのかということについて確認していきます。コンテナハウスと言っても、建築基準法という建築物の立地や安全性等について規定している法律上は建築物に該当します。いくら丈夫そうな鉄製のコンテナと言っても、この建築基準法の規定を満たす必要があります。特に、建築物としての安全性を担保するには、コンテナの構造や使っている鋼材や溶接方法は、建築基準法の規定を満たすことはできません。つまり、中古のコンテナは、そのまま建築物として利用する事は出来ません

中古のコンテナを建築物として再利用しようとする際に必要となること?

 中古のコンテナを建築物として再利用するには、まず、次のようなことが最低限必要となってきます。

 ・補修

中古の海上輸送用のコンテナを建築物として再利用するには、やはり補修をしなければなりません。潮風や風雨にさらされて続けたコンテナは、予想以上に傷んでいる場合が多いのです。輸送途中にコンテナ本体にダメージを受けている場合もあります。当然、そのような部分を補修しなければいけません。へこみや歪み、傷、亀裂や穴等があればそれを直すことが、まず必要となってきます。そして、錆を落として錆止め、塗装をしなおさなければいけません。

・躯体工事

建築物とは違う規格で造られた輸送用のコンテナは、そのままでは建築物として利用することができません。その躯体を改造し、建築基準法の規定に合うようにする必要があります。具体的には、主要構造部として柱を新たに設けたり、使っている鋼材もJIS規格に合うものにして、溶接などをやり直す必要がある場合があります。

中古のコンテナを再利用する場合のコストは?

 海上輸送用の中古コンテナを建築物として再利用する際に、最低限必要なものについて見てきましたが、では、いったいどれぐらいのコストがかかってくるのでしょうか?一般の建築物も同じで、リノベーションの場合はそれぞれかかってくる費用は違ってくるのですが、1つの目安として記憶にとどめておいてください。

 20フィートのコンテナを例にとってみます。

まず、中古のコンテナの値段ですが、程度により違ってはきますが、ここでは標準的なものとして20万円程度としておきます。次に、補修費用ですが、傷や亀裂、穴などを修理して錆取りや錆止め、塗装を施すと、最低でも、だいたい30万円程度は見ておく必要があります。次に躯体工事ですが、鉄骨を使って結構、大がかりなことをしなければいけませんから、200~300万程度は覚悟しなければいけません。

中古コンテナをそのまま使うには?

 では、少し見方を変えて、中古コンテナをそのまま使う方法はないのかということを、もう一度、検討してみます。関係法規を満たすには、コンテナ自体をまったく違う建築物で覆ってしまうことぐらいしか方法がなくなります。

 こうなるとコンテナハウスの魅力のである、ポータビリティーやその独特の存在感が失われるばかりか、コスト的にも魅力があるものではなくなります。コンテナを使う必要は薄れてきます。結論的に、中古コンテナを建築物として利用する事は、現実的にメリットが少ないと言えます

新品の海上輸送用コンテナは建築物として使えないの?

 中古の海上輸送用のコンテナを建築物として使う際の問題点について見てきましたが、では、新品のコンテナの場合はどうなのでしょうか?当然、補修費用はかからないので、その分、お得な感じはするかもしれません。

 まず、新品のコンテナの値段ですが、だいたい100万円以上はしてきます。あとは、それに建築物としての規定を満たすための躯体工事が費用が必要となってくることになります。これらを合わせると、当然、コストは中古コンテナ以上にかかってくることになります。

新品であろうと、中古であろうと海上用コンテナを建築物として利用する事は、やめておいた方が賢明です

やはりコンテナハウスは建築用のものを使うべき!

 海上輸送用のコンテナが建築物として使えるかどうかについて見てきました。

中古の新品共に海上輸送用のコンテナについて見てきました。コスト面でもそうですが、設計の自由度や外観も含めて、やはり建築用のコンテナハウスを使っていただく方がいいのです。長く使う建築物だからこそ、納得のいくものを手にいれていただきたいと思っております。